自分のこと

初めて文章を書くのが楽しかった瞬間の話

「自分にとって文章を書くということは何なのだろうか。」

別に特別なきっかけがあったわけではないが、仕事の休憩がてらリビングにお茶を入れに行く途中にふと思った。

書くことは別に苦痛でも楽でもなんでもない。

むしろ少し他の人よりもタイピングが遅い。

タイピングが遅いせいで、むしろ苦手よりかもしれない。

でも、考えを整理することが苦手な自分は、頭の中の考えを文章で目に見える形にすることでやっと前に進めるような気もするのだ。

同じことをぐるぐる考えないで、自分の中の意見のどれが一番説得力があるものなのか、冷静に見比べることができる。

自分にとって文章を書くということは、そうやって自分と向き合うことと同義なのかもしれない。

でも、そんな苦手かもしれない「文章を書くこと」も、めちゃめちゃ楽しかったなと思えたことがあったの思い出した。

それは、小学生低学年の時の国語の授業だったと思う。

確か、言葉の書いていない、挿絵だけが描いてある本を渡されて、それに物語を自分の言葉で創造する課題だったと思う。

当時は特に国語が特別得意だった記憶はなく、授業が早く終わらないかなと思いながら授業を受けていたと思う。

が、その課題だけは一瞬で時間が過ぎた。

にやにやしながら、時に声を抑えられずに笑いながら、自分だけの物語を、キラキラとした思いで書いていた。

「これはめちゃめちゃ面白い」と確信しながら書いていた。

おそらく書くスピードもそんなに早くなかったはずだが、そんなことは関係なく楽しかった。

発表は挙手制で代表の人が何人か読み上げるような形をとっていたけれど、自分も積極的に手を挙げた。

めちゃめちゃ笑いをかみ殺しながら読んでいたような気がするので、今思えば多分「変な人だ」と思われたんじゃないかと思う。(先生ヒヤヒヤしてなかったかな)

とにかく、書くことが楽しくて仕方なくて、鉛筆が止まらないような課題だった。

毎回あの授業ならどんなに楽しいだろうと思った記憶がある。

それほど書くことが楽しかった。

思えば音楽でも同じで、「これは面白くて仕方ない」だとか「めっちゃよくなる」と思ったら時間を忘れて夢中になるし、限界まで追求できる性格をしている。

きっとそういうことなのだろう。

このブログでも音楽でも、文章や歌を歌いたいのではなくて、「面白いもの」「最高だと思えるもの」を作りたいんだと思う。

手段が目的にならないようにしないといけない。

その瞬間輝きを失ってしまうんだと思う。

ブログでは記事を書くことじゃなくて、自分自身の切実なことを。

音楽は歌を歌うことじゃなくて、何度も聞きたくなるような音楽を。

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